遺言が無効となるのは、次のような場合です。
①法定の書式が守られていないとき
まず、遺言は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など法律に定められた方式によらなければなりません。
したがって、この方式に従っていない遺言は無効です。
②遺言を作成した時に意思能力がなかったとき
遺言の意味を理解できない人が作った遺言も効力がありません。
高齢者の場合には、認知症が問題になる場合があります。
高齢者が死亡したばあいに遺言書が出てきた場合には、まず、本当に遺言をするだけの意思能力があったのかどうかを考える必要があるでしょう。
③後に遺言がなされていたとき
遺言は自由に変更できます。
例えば、平成20年1月に公正証書遺言をしたと言っても、その後、平成21年9月に自筆証書遺言をしたら、後の方の遺言が有効であり、前の遺言は無効になります。
④その他の無効事由
遺言は、15歳以上でなければできませんので、15歳未満の作成した遺言は無効です。
また、遺贈など財産に関する行為については、不法なものや公序良俗に反するものは無効です。
例えば、愛人との間で生まれた子供に財産を遺贈するに際して、認知請求を放棄することを条件とするような遺言は無効です。
なお、遺言の無効を争うような場合には、訴訟になる可能性が非常に高いので、最初から弁護士に相談された方をお勧めします。