【質問の要旨】
・現在調停中
・弟夫婦が親のお金を隠し持っている
・弟夫婦の口座の見つけ方、証拠を見つける方法を知りたい
・警察には相談済
【回答の要旨】
・弟夫婦の口座を見つけることは極めて困難
・結局、被相続人の口座の出金から取り込みを確認するほかない
【題名】
弟夫婦の口座を調べる方法
【ご質問内容】
実は今調停中です
明らかに弟夫婦が親のお金を隠し持ってます
どうしても、証拠がほしい
見つけ方がわからない
もちろん警察にも相談してます
弟夫婦の口座を見つける方法あれば
教えてほしい
(黒ちゃん)
※敬称略とさせていただきます。
【回答】
1 弟夫婦の口座の確認は困難です。
今回の相談者は現在調停中とのことですので、相談者の親を被相続人、弟を相手方として遺産分割調停をしている相続案件として回答します。
弟が親の財産を隠し持っている、それを自己名義の口座に入金して保管している疑いがあるとしても、その口座が弟であれば、他人の口座であり、金融機関が弟の同意なしに、口座の有無や履歴などを明らかにすることはありません。
弁護士は弁護士会を通じて、金融機関に照会をかけることもありますが、その場合でも、金融機関は預金者のプライバシーということで、回答を拒否します。
なお、調停の手続きであなたが照会して欲しいと言っても、調停委員は「調停は調査手続きではありませんので」とやんわりと断るという対応をします。
2. 結局、被相続人の口座の出金から取り込みを確認するほかない。
【使途不明金を探し出す】
被相続人の口座の履歴なら、相続人が取り寄せできます。
もし、出金者を確認することでもよいというのなら、被相続人の口座の履歴からある程度の推測ができます。
その方法は以下のとおりです。
・取寄せた履歴のうち、多額の入出金を抽出します。
・その中で、使途が明らかな出金や口座間移動の入出金を除外して残るのが使途不明金です。
【使途不明金と弟との関連を見つける】
使途不明金については、
その出金が
- 送金であれば、金融機関に誰に送金したかを確かめるといいでしょう。
- 現金出金なら、払戻伝票の筆跡が誰のものかを確認することになります。
- ATM出金なら、どこに設置されたものを使用しているかで、出金者を推測できます。
というのが調査の方法です。
これらの調査結果を前提にして、弟が取込あるいは関与していると主張することになります。
なお、被相続人の自宅にあった現金を着服した場合などは、現金があったこと自体が証明できないので、相手方が取り込んだことを証明するのは極めて難しいでしょう。
(弁護士 山本こずえ)