【質問の要旨】
・年間の遺留分で申立てる件数は、どのくらいあるか。
私の父が他界して相続が発生しました。
公正証書があり、父の遺産は全て後妻相続となっています。
ネットで調べたところ、「令和元年の死亡者数は約138万件、令和元年の家庭裁判所への遺産分割協議調停申立件数は15,842件でした。この2つの数字から約87件に1件の割合で家庭裁判所での調停となっているという見方もできます。」と記載がありました。
ご質問
遺留分で申立てる件数について家裁に尋ねましたが分かりませんでした。年間の遺留分で申立てる件数は、どのくらいあるのでしょうか。体感的にでもいいので教えて頂けたら幸いです。
【ニックネーム】
雪男
【詳細な回答】
【遺産分割調停申立件数は司法統計年報で確認できる】
訴訟や調停の申立件数については、最高裁判所が公表している《司法統計年報》(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/shihotokei_nenpo/index.html)で確認できます。
なお、質問には、令和元年度の家庭裁判所への遺産分割協議調停申立件数は「15,842件」と記載されていますが、私が上記年報で確認した件数は12,785件でした。
【遺留分関連の件数は公表されていない】
今回の質問は、家裁への遺留分関連調停の申立件数についての問い合わせですが、これは公表されていません。
申立された調停が遺留分関連かどうかは、内容を見ての判断になるため、区分が難しく、統計処理に適さないためでしょう。
ただ、遺留分関連調停は、前項の遺産分割調停のうちに含まれていることは間違いないでしょう。
【事務所の扱い件数から考えると・・・】
質問で「体感的にでもいいので教えて頂けたら幸いです。」と記載されています。
当事務所で遺産分割調停の申立てをしたうち、約25%が遺留分関連です。
そのため、令和元年度の件数に上記%を掛けた3,196件が遺留分関連だと言えるかもしれません。(あくまで個人的見解です)
(弁護士 大澤龍司)