【質問の要旨】
リゾート会員権不動産付き物件を何も知らず相続したが、
解約することができず一生維持費を払っていくようなことを言われた。
どのように対処すればいいか。
私は相続でリゾート会員権不動産付き物件を何も知らず相続しましたが解約することもできずこのままでは一生維持費を払っていくようなことを言われました困っておりますどうしたらいいでしょうか
■ニックネーム
山田
【回答】
1、会員は年7万円程度の会費と不動産の固定資産税の支払が必要
リゾート会員権は、リゾートホテルの利用権とそのホテルの不動産の持分がワンセットになっています。
そのため、会員はリゾートホテルを利用できる反面、毎年、会費(7~8万円程度が多いようです)を支払うとともに、不動産の固定資産税も支払いをすることになります。
利用できるホテルが気に入っており、頻繁に利用するのなら、会費の支払いも苦にならないでしょう。
しかし、利用しない場合には、毎年、支払う会費や固定資産税が全く無駄な出費になります。
2、ホテル会員を脱退する方法はどこにも書いていない
リゾート会員権を買ったときに、ホテル運営会社(以下、「運営会社」と言います)と契約し、また、ホテルの管理組合に加入します。
しかし、会員を辞めて、会費や固定資産税の支払いを免れる方法は契約書や組合規約のどこを見ても、書かれていません。
3、会員権業者も扱わないことが多い
ゴルフ会員権などは、値段が高いかどうかは別として、それを扱う会員権業者に売却ができます。
しかし、リゾートホテルについては、業者は買い取りをしてくれないことが多いです。
4、ホテル運営会社に交渉するしかないが・・
結局、ホテル運営会社に交渉するしかないのが実情です。
ただ、運営会社としては、解約を認めれば、毎年の会費が入ってこなくなるのですから、解約を認めることはまずありません。
《誰か、その会員権を引き継いでもらう人を探してください》といって、冷たく突き放しているのが実情です。
5、契約書や規約に違法なところや矛盾はないかを探すことが必要
運営会社と交渉するためには、まず、契約書や管理規則を集める必要があります。
次に、契約や規約を熟読し、どこかに法律に反する個所はないか、契約や規約で互いに矛盾する箇所がないか、解約につながるような方法が隠されていないかを検討します。
運営会社により契約内容も様々ですし、組合の管理規約もバラエティがありますので、どこに違法な点があり、どういう矛盾や穴があるのかは一概には言えません。
もしそれが見つかれば、運営会社との交渉の中で、その点を《武器》として、解約を迫っていくことになります。
6、法律的な検討が必要なので、弁護士と相談するのが望ましい
どんな攻撃材料があるのか、それは法律の専門家でないと発見しにくいでしょうから、早期に弁護士に相談されることをお勧めします。
普通の弁護士はあまりこの種の案件を扱わないようですので、過去にリゾート会員権問題を扱った弁護士に相談されるといいでしょう。
なお、運営会社の方では、交渉経験豊かなベテラン社員が対応することが多いので、その意味からも交渉力ある弁護士が必要です。
7、不動産持分の譲渡はどうするのか?
これまでは会員資格をなくす話を中心に記載し、持分については言及してきませんでした。
ただ、多くの場合、組合員資格と不動産持分はワンセットになっていますので、解決する際には、会員権と持分問題がまとめて解決されることが多いです。
大澤龍司法律事務所は
リゾートホテル会員権専用HP(https://www.osawalaw.net/ )をオープンしています。
過去の解決例やリゾートホテルに関する情報を記載していますのでご参照ください。
(弁護士 大澤龍司)