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相続人の契約した生命保険の保険料を被相続人が支払っていた場合の遺産分割【Q&A816】

2023年5月16日

【質問の要旨】

親が亡くなり相続が発生し、生命保険(解約すれば返還金が支払われるもの)があることが判明したが、対象の保険が遺産分割の対象外であることが分かった。

被相続人:親(保険料負担者)

相続人:A、B(相談者)

相続人A:保険契約者かつ被保険者、被相続人の介護をしていた。

相続人B:被相続人の介護をしておらず、Aに比べれば親と疎遠になっている。

・相続人B(相談者)がAに対して、返還金について特別受益を主張して持ち戻しを求めても、審判や裁判で認められるのは難しいか。

・相続財産への持ち戻しが認められ、Aが返還金を分割してBに渡した場合、Bは贈与税を支払う必要があるか。

・保険を遺産分割の対象に加えれば、Aはかなり多くの財産を相続することになり不公平に感じるが、Bはどうすることもできないのか。

 

 

1 保険契約の内容について

 相続人Aは、保険会社との間で、相続人Aが死亡した際には、保険会社から保険金受取人(相続人Aが誰を指定しているかは不明)に対して生命保険金を支払うという内容の契約をしているものと考えられます。

2 被相続人から相続人Aに対して保険料相当額が生前贈与されていたこと

 本来、保険会社に保険料を支払う義務があるのは保険契約者である相続人Aですが、実際には、相続人Aに代わって被相続人が保険料を支払っていたようです。

 これは、被相続人が、生前に、相続人Aに対し、保険料相当額を生計の資本として贈与していたものと考えられます。

3 特別受益の主張をすべきか

 遺言書がない場合、特別受益の主張をすべきです。

 被相続人が持ち戻し免除の意思表示をしていない場合は、証拠があれば、審判や裁判でも認められるでしょう。

4 贈与税ではなく相続税を支払う必要がある

 相続人Aが保険を解約して、返戻金の一部を相続人B(相談者)に渡したとしても、Bは被相続人の遺産を受取ったにすぎず、Aから贈与を受けたわけではありません。

 したがって、Bは贈与税を支払う必要はなく、相続税を支払う必要があります。

 

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