【もっとも激しいバトルが行われるのは】
相続は「争族」といわれています。
遺産をめぐって激しい争いが生じるからです。
その争いがもっとも熾烈になるのが義母とその子、言い換えれば後妻と先妻の子の争いです。
ただでさえ感情的な争いをする立場にある方たちですから、ここに財産争いがからめば、争いはホットにならざるをえません。
【後妻の気持ち・先妻の子の気持ち】
後妻としては、夫の介護をしており、自分が夫の面倒を最後まで見たという思いがありました。
「だんなのオムツまで替えたのはこの私だ」という自負がありました。
死んでから遺産目当てにノコノコと出てきてという反感もありました。
夫が死んでしまえば、頼りになるのは金しかないという気持ちもあったのでしょう。
しかし、先妻の子も黙っていません。後妻は遺産を絶対隠しているというのはよく出てくる言葉です。
【先妻が生きている場合は、更に激しく】
私の扱った事件でもっとも「激烈」なものが、後妻と先妻の子の相続争いで、しかも先妻と離婚し、生きている場合でした。先妻が後妻に対して持っている気持ちがこんなときに噴出します。
先妻の子が後妻の指して言った言葉で驚いたことがあります。
「女狐」(めぎつね)。なんともクラシックです。
母親である先妻がいつもこのような言葉を使っていたのでしょう。
【こんな争いを防ぐために】
遺言書はこんなときに役に立ちます。
でも書き方を間違えれば、それが又、争いの種になります。
争いを避けるコツは次のとおりです。
間違っても、後妻または先妻の子のどちらか一人だけに遺産全部を渡すというような内容にしないことです。
少ししか相続させない者に対しても、慰留分(本来の相続分の半分程度)の財産を残すことです。