【質問の要旨】
被相続人 母
・母が亡くなり、土地建物の相続手続きをしたいと考えている
・土地建物は祖父と再婚相手の名義のままである
・相続人は、相談者側2名、相手側2名
司法書士に相談し、相談者側75%、相手側25%の法定相続分と言われたが、納得してもらえず、手続が進まない。
どのように相続手続を進めていけばよいか。
【ご質問内容】
家・土地の相続について相談となります。
今回母が亡くなり、相続予定ですが、祖父と再婚相手の名義となっております。
また、祖父、再婚相手は先に亡くなっております。母側の相続が2名、再婚相手側が2名となっております。
司法書士に相談していたところ、母側75%、再婚相手側が25%が法定相続分にも関わらず、納得してもらえず、長引いており売却等もできない状況です。
よろしくお願いいたします。
【ニックネーム】
110
【回答】
1,なぜ、納得しないのかをはっきりさせる必要がある
再婚相手方の法定相続分25%なら、遺産もその割合で分割します。
質問では《納得してもらえない》ということですが、相手方はどのようなところに不満があるのでしょうか。
質問ではこの点がはっきりしませんので、今回の回答はやや抽象的なものになります。
ご了解ください。
2, 不動産がある遺産分割で問題になる点は・・・
遺産の中に不動産がある場合、次のような点が問題になることが多いです。
①相続する者を誰にするか
その不動産を誰が相続するのかに争いがある場合があります。
②価額評価が食い違う
誰が相続するかは決まっているが、不動産の価額に見解の相違があることも多いです。
3, それぞれについての対応方法は以下のとおりです
1)相続する者を誰にするかの問題(前記①)
どの法定相続人も不動産を取得したくないというのであれば、相続人全員で売却して、その代金から仲介手数料等の費用を控除して、残額を法定相続分で分けるといいでしょう。
逆に、どちらもが取得したいというような場合には、その不動産をどの程度必要とするか(例えば、現在、その不動産に住んでいる等)、又、どれだけ高く評価するかなどを考慮して、取得者を決定するといいでしょう。
2)不動産の価額評価が食い違うとき(前記②)
遺産分割で不動産をもらう人は、他の相続人にその法定相続分に応じた金銭(代償金)を支払う必要があります。
そのため、不動産をもらいたい人は価額評価を低くして、代償金額を低くしたいと考えます。
又、逆に金銭で代償金をもらう相続人側は、その金額を高くするために不動産を高く評価したいと考えます。
このような場合には、昔は不動産鑑定士に鑑定してもらうことが多かったのですが、最近はそのようなことをすることは少ないです。
その理由は鑑定費用がケースに寄りますが、30~40万円程もすることもあり、かなり高額だからです。
そのため、最近は国税庁の発表している路線価額を参考にして価額の参考にする場合が多いです。
又、場合によれば路線価額から、時価を計算するなどの方法で価額評価をすることもあります。
この他に、複数の不動産業者の査定を取ることで、これらを参考にして価額を算定する方法もあります。
3)不動産の話がまとまらないときは遺産分割調停を考える。
上記の①及び②のケースのいずれにせよ、相続人間で遺産分割協議での合意ができないのなら、家庭裁判所での遺産分割調停の申立をされるといいでしょう。
なお、申立書類の書き方などは家庭裁判所で教えてくれることもありますので、弁護士に依頼されない場合は、そこで相談されるといいでしょう。
(弁護士 大澤龍司)