遺産は不動産でもらいますか?
現預金でもらいますか?
遺産の分割協議をしていると、ある相続人は現預金で欲しいといい、他の相続人は不動産が欲しいといいます。
さて、あなたならどちらでもらいますか?
【現預金が一番】
弁護士としては、原則として、その遺産の家屋に居住しているような場合は別として、現金か預金でもらいなさいというアドバイスをします。
その一番の理由は、不動産は簡単に売れないということです。
例えば広大な土地をもらった場合でも(遺産額が多い場合には)相続税の支払が必要です。
遺産分割で、現預金をもらった場合は、それですぐに相続税の支払ができます。
しかし、不動産でもらった場合には相続税の支払い原資として、別途、お金を用意する必要があります。
【不動産を売り急げば買い叩かれる】
もし、そのお金がないというのであれば、不動産を売却するしかありません。
その場合、何事もそうですが、売り急げば不動産の価額は恐ろしく安くなります(足元を見て買い叩かれるということです)。
【税金もかかります】
その不動産があなたが居住している不動産なら別として、不動産を売却する時には通常はかなりの不動産譲渡税もかかります。
また、売るまでの期間、当然のことながら固定資産税等も支払う必要があります。
【過去にこんなケース】
過去に、当方の依頼者で不動産の取得を選択した方がおりましたが、相続税として支払うお金がありませんでした。
そのため、税務署と協議の上、長期で分割払い(延納)という手続をしましたが、もらった不動産は売れず、しかも不動産価額は下落を続け、依頼者の相続人は四苦八苦しておりました。
次回の記事でも記載しますが、遺産分割の前提となる不動産価額は、相場よりかなり安くなります。相続税の支払や不動産の利用価値、売却の可能性等、しっかりと考えて対処する必要がありますのでご注意下さい。